写真家 川島小鳥の「未来ちゃん」

3年近く前に雑誌ブルータスで、写真家の川島小鳥(かわしまことり)氏が撮影した「未来ちゃん」の写真が数枚載るとあのインパクトに魅了された人が大量発生しました。
その後、ナナロク社から写真集「未来ちゃん」が発売 (自費製作された写真集はその前に展示会場限定で発売)。
写真集「未来ちゃん」は、佐渡島に住む川島氏の友人の3歳の子供を撮影したとの事。
いかにも田舎の子供らしい無防備で飾らない表情ながら、強い意思を感じる眼力(?)を捉えていて素晴らしく、一枚一枚の写真が本当にいい顔していて、ついつい自身の顔がゆるんじゃいます。
川島氏曰く、「懐かしくてフレッシュな、妖怪のような妖精のような不思議な「未来ちゃん」」だそうです
http://www.kawashimakotori.com/news/?p=9
尚、この写真集は、講談社出版文化賞、ダ・ヴィンチ プラチナ本 Book of year2011を受賞したそうです。
未来ちゃんの素敵な表情をご堪能ください。
もっと見たい方は写真集を買いましょう。(下にアマゾンのリンクあり)
以下、写真集「未来ちゃん」から
(各画像はクリックで拡大表示します)
川島小鳥写真集「未来ちゃん」発売情報
Amazon - 川島小鳥写真集 未来ちゃん
内容紹介 : 昨年末「ブルータス」写真特集の表紙を飾るなど、いま、もっとも話題の写真集がついに刊行。
ひとりの女の子の一年間を撮りおろした、見ているだけで跳ねだすような、傑作写真集の誕生です。
人気デザイナー祖父江慎の装丁による、写真そのままを本にしたような造本も魅力的な一冊。
出版社: ナナロク社 (2011/3/22)
定価 : \2,100
http://www.amazon.co.jp/dp/490429209X/
出版元のナナクロ社でも購入可能です
http://www.nanarokusha.com/shop/products/detail.php?product_id=13
人気のきっかけになった、雑誌BRUTUSの号
Amazon - BRUTUS (ブルータス) 2010年 12/15号
出版社: マガジンハウス; 月2回刊版 (2010/12/1)
http://www.amazon.co.jp/dp/B004BU621Q/
Amazon - BRUTUS特別編集 合本・写真術
特別付録は、川島小鳥撮影ミニフォトブック『未来ちゃん<パリ>』。
出版社: マガジンハウス; A4変型版 (2011/9/15)定価 : \880
http://www.amazon.co.jp/dp/4838786778/
ミニフォトブック『未来ちゃん<パリ>』より
写真展「未来ちゃん」
台湾で開催された写真展ポスター
「未来ちゃん」ミニ写真集
2010年4月の展示会会場のみ販売
B6, 60ページ, 限定500冊, 1500円
バッチ (ナナロク社や写真展会場のみガチャガチャで売っていたみたいです)
川島小鳥 – バイオグラフィー
1980年生まれ
早稲田大学第一文学部仏文科卒業後、沼田元氣氏に師事
2007年:写真集「BABYBABY」を出版
2009年:画家の箕浦健太郎氏と二人展「川島小鳥箕浦健太郎」開催
2010年:松岡一哲氏と二人展『未来ちゃん』開催、同時に写真集『未来ちゃん』を発表
2011年:写真集「SECRET SERINA 芹那 1st フォトスタイルブック」、「奥仲麻琴写真集 RUN RUN まこと」を出版。
2012年:写真集「未来ちゃんの未来 (写真・川島 小鳥、 絵・ウィスット ポンニミット)」、「明星 (写真・川島小鳥、イラスト・箕浦建太郎)」、「成海璃子 写真集 『 RICO DAYS 』」、「アクターズ・ファイル 妻夫木聡」、「川島小鳥写真集「トリコ」 (TOKYO NEWS MOOK 327号) (写真・川島小鳥、イラスト・箕浦建太郎)」発行
2013年:「デジタル週プレ写真集 逢沢りな『光と影のバラッド』」を発行。
川島小鳥│Kotori Kawashimオフィシャルサイト
http://kawashimakotori.com/
Fujifilm しゃしんのカタチ - 写真家川島小鳥さんインタビュー
ー いつ頃から写真を撮られているのですか?
高校二年のときです。その頃、映画がすごい好きで、毎日映画館に行ったりビデオ借りたりして観てたんです。名作からC級映画まで、もう本当に片っ端から。それで、大学に入ったら映画のサークルに入ろうと思って、映画を撮る練習のつもりで写真を撮りはじめました。そのころは、映画監督になりたいなと思ってたんです。
ー そのときは、どんなカメラを使ってらっしゃったんですか?
最初は家にあった、35mmのスナップショットカメラですね。その後、大学に入ってからはアナログの一眼レフカメラを手に入れました。
ー 高校の時は何を撮られていたんでしょう。
その頃は、まわりの友達とか、あと風景とか……いろいろ撮ってましたね。いいな、と思ったものは何でも。
ー 大学に入られてからは?
『BABY BABY』で撮っていた子とも仲良くなって、その子を撮ったり。あれは大学時代からの作品なんで。
ー その頃から人を中心に撮影されるようになったと。
そうですね。一番撮ってたのは『BABY BABY』の、あの子かもしれないけど、あとは周りの男子も撮ってたかもしれない。よくある、スナップっていう感じですね。
ー 結局、映画のサークルには入られたのですか?
入ろうと決める前、実験的に友達と映画を撮ろうってなったんですけど、そのときに、自分は複数の人と何かひとつのことをやるっていうことに、とことん向いてないんだなって気づいちゃって。そこからは、練習のつもりだった写真のほうに魅力を感じて、ずっとやってきました。で、大学を卒業してからは写真スタジオに入ったんですよ。
僕、就職活動とか全然してなくって、そしたら友達が見かねて「写真スタジオっていうところがあるから受けてみたら」って。それで受けてみたら決まっちゃって、いきなり社会人に。そもそも僕がなんで就職活動をしなかったかって言ったら、写真を好きでずっとやってきたけど、写真で働いてる人が何をやってるのか分からなかったからなんですよ。写真集を出してる写真家くらいなら知ってたけど、雑誌で写真を撮ってるカメラマンとか、あと写真スタジオの存在とかも全然知らなくって。そんなのんきで世間知らずでいたら、そのまま大学卒業するっていうことになっちゃって結局友達の紹介でスタジオに入ったと。
ー そこでは何年くらい働かれたんですか?
1年半ほどですね。で、その後お金がなくなってバイトしてたんです。
ー 何のアルバイトを?
それが、街の写真屋さんだったんですよ。で、ちょうどその頃あらためてこれまで自分で撮った大量のネガを見てたら『BABY BABY』の女の子の写真をいっぱい撮ったなあって思い出して。そしたら店でバイトのおばちゃんが「店が暇なときに写真をプリントしてもいいよ」って言ってくれたから、そのネガを全部一枚一枚店の『フロンティア』っていうラボ機借りて自分でプリントしたんです。
ー なるほど。
そこで改めてプリントを見ると、すごく綺麗で。「あれ、こんなに綺麗に撮れてたんだ」ってまずびっくりしました。というのは、大学生当時お金がなかったので、その頃流行ってた薬屋さんとかスーパーとかで受け付ける、すごい安い現像プリントに出してたから出来上がってきたプリントの色があんまりで、それを見て「やっぱり自分は下手なんだな」って思ってたんですよ。プラス、4年間撮り続けてたけど「友達を撮りました。以上」って感じで、自分的には「これは作品にならないだろうな」って思ってたはずが、上がりのプリントを改めて見てみたら我ながら「いいかも」って思えた。それで、その写真を全部時系列に並べてカラーコピーして、すごい分厚い本にして、まずその子に「ありがとう」ってプレゼントして。で、もう一冊同じものを作って新風舎平間至写真賞っていうのに応募したんです。そしたら、それが第10回の大賞を受賞しました。その後出版された『BABY BABY』はしばらく絶版になってたんですが、今年の3月に学研から復刊されたんです。
ー 川島さんは、ずっとフィルムで撮られていますよね。
そうです。これまで、毎回違うフィルム、あとカメラもいろいろ使ったりとかしてきました。とにかく、どこの会社のフィルムがどんな感じかとか全然分かってなかったんで、全部実験で。でも、未来ちゃんは全部富士フイルムの「PRO400」で撮っています。
ー それはなぜですか?
なんででしょう? とにかく日本のフィルムで撮ろうっていう思いはあった気がします。感度も最も一般的な、普通の400でっていうこともあったし。普通……普通って言われたら人ってうれしくないのかな? でも、普通が一番いいなって思って選んだんですよ。で、今は全部、ブローニーも含めて「PRO400」を使ってます。
ー ネガで撮った写真、最近はどうされているんですか?
現像と、あとCDRに書き込んでもらって、そこから選んだ写真を自分で焼いたり、あとラボへ出しています。
ー ちなみに、デジタルカメラは使われるのでしょうか?
はい。仕事で指定されるときに使います。ただ、質感は圧倒的にフィルムの方が好きなんですよ。でも、例えば僕の写真をレトロとかっていう言葉で片付けられるくらいだったら、時代性もあるしデジカメだってもっと使おうと思っています。デジカメだからこそ撮れるなにかがあるはずだって思うんですね。だから、もっと自分に相性のいいデジカメがあったらいいのにって最近思っています。とはいえ、まだまだ普段遣いはもっぱらフィルムですね。『未来ちゃん』も絶対に大好きなフィルムで撮ろうと思って、プリントも全部自分で焼いたんですよ。
http://fujifilm.jp/netprint/box/katachi/04/
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