『カリガリ博士』ベルリン映画祭でデジタル・リストア版上映決定

ドイツ表現主義を多用した表現で、ホラー映画界のみならず、BauhausやThe Misfitsなどのロックミュージシャンに影響を与えた、映画『カリガリ博士』が第64回ベルリン国際映画祭で上映されるそうです。
デジタル・リストアされるそうで、あの暗くて陰湿な雰囲気が薄まらないか気になりますが、今回音楽を担当するのは前衛的ミュージシャンのジョン・ゾーンだそうで、そちらは合ってそうな気がします。
昔、ミニシアターで『カリガリ博士』観たことありますが、ビデオで観るのとちがい、あの世界観に浸れる感じで感動した記憶があります。日本でもまた劇場公開して欲しいですね。
『カリガリ博士』が94年の時を経てよみがえる!ベルリン映画祭でデジタル・リストア版上映決定!
ロベルト・ウイーネ監督が手掛けた映画『カリガリ博士』のデジタル・リストア版が、第64回ベルリン国際映画祭で上映されることがわかった。ドイツ表現主義の最高傑作とされる同作が初めて上映されたのは、1920年のベルリンでのこと。それから94年を経て、同じベルリンの地で現代によみがえることになった。
『カリガリ博士』は、カリガリ博士と眠り男の殺人事件が回想という形で繰り広げられる、芸術的な構図の白黒映像によるサイレント映画。デジタル・リストア版は、第64回ベルリン映画祭中の2014年2月9日にコンサートホールのベルリン・フィルハーモニーにて、カール・シュッケ社製のオルガン演奏付きで上映される。
また、今回音楽を担当したのは、アメリカの前衛的ミュージシャンであるジョン・ゾーン。ジョンは、自身のレーベルから日本のミュージシャンの作品も出しており、1990年代には日本に滞在し活動していた親日家でもある。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
第64回ベルリン国際映画祭は2014年2月6日から16日まで開催予定
http://www.cinematoday.jp/page/N0052064
海外の報道
Digitally restored “The Cabinet of Dr. Caligari” to premiere at Berlinale 2014
http://dearcinema.com/news/digitally-restored-the-cabinet-of-dr-caligari-to-premiere-at-berlinale-2014/4707
The Cabinet of Dr. Caligari (1920) - Full Movie
http://youtu.be/xrg73BUxJLI
カリガリ博士 - Wikipedia
本作は、精神に異常をきたした医者・カリガリ博士と、その忠実な僕である夢遊病患者・チェザーレ、およびその二人が引き起こした、ドイツ山間部の架空の村での連続殺人についての物語である。本作は、登場人物の一人であるフランシスの回想を軸にストーリーが展開する。初期の映画では直線的なストーリー進行が大半を占めたが、本作品は、その中でも複雑な話法が採用された一例でもある。
批評家からは、本作品のドイツ表現主義の手法や、奇抜で歪んだセットのデザイン、そして卓越した視覚的効果において、今日でも世界的に高く評価されている。フィルム・ノワール、およびホラー映画に影響を与えた重要な作品としても、位置づけられることが多い。最初期のホラー映画の一作品としても挙げられ、以降数十年間、アルフレッド・ヒッチコックなど、多くの映画監督が手本としていたことも指摘される。
セット美術:ほぼすべてのショットにおいて、歪んだセット美術が使用されている。テント、柱、ドア、壁、煙突、屋根などがすべて平衡感覚が狂った状態で描かれており、床が水平でないこともある。また、白と黒のコントラストが多用され、照明もそれを強調している。
メイク:チェザーレの、目の周りを隈取したような奇抜なメイクは、不安感を煽るものである。(図3)また、衣装も奇抜なデザインで作られており、チェザーレの全身タイツのような黒の衣装や、拘束衣が例として挙げられる。
誇張された演技:他のサイレント映画に比べても、登場人物たちの演技は感情や身振りをかなり誇張されている。特にカリガリ博士と、フランシスの演技においては、他の人物より表情・身振りが強調されているとともに、場面に応じて顕著に異なった演技スタイルを用いている。
屋内での撮影:すべての撮影を、屋内でセットを使用して行っている。自然の日光を一切使用せず、日光によりできる影も照明を使用して作られたものである。
監督:ローベルト・ヴィーネ
脚本:ンス・ヤノヴィッツ、カール・マイヤー
製作:エリッヒ・ポマー
出演:ヴェルナー・クラウス
製作国:ドイツ
公開:ドイツ 1920年、日本 1921年